北海道ひとり歩き

7月14日 月曜日 霧雨
摩周

この日は、ユースホステルで自転車を借りて摩周湖を目指す。行きは登りでほとんど自転車を押して歩く。とにかく寒い! やっとの事で第一展望台に着く。寒い中、ソフトクリームを食べながら摩周湖を眺める。「霧の摩周湖」は真ん中の島までしか見えなかった。

第一展望台を後にして第三展望台へと向かう。第三展望台は濃い霧に包まれてぜんぜん駄目。第三展望台を後にして、湯川温泉の方向へと降っていく。自転車で坂道を降ったので、登りよりも寒くて凍りそう。

川湯温泉駅近くのホテルでそばを食べ、そのホテルの露天風呂でほっこりと身体を温める。露天風呂を出る頃、一組のカップルが入ってくる。タイミングが残念。混浴やったのに(?)。

硫黄山を見てから、摩周の方向へと戻る。途中、池湯林道という脇道があったので、その林道に入っていく。しばらく進むと、道の両側の木の枝に赤いリボンが垂らしてある。これは何かのサインだろうか?この辺りには熊は出ないと聞いていたけれど、怖く感じたので林道を引き返すことにする。林道を引き返している途中、何を想ったのか「森の熊さん」の鼻歌を唄い、恐怖感が増してしまう。アスファルトの道に戻ってこれた時は、どれだけほっとした事か(謎)。

摩周の方向へ向かっていると馬の牧場があったので、錯越しに馬に草をあげて楽しむ。少しして、摩周へと向かう道をひたすら進む。とても風が強く、鳥が空を流されている。この日はとても長い距離を自転車で走る。

夜、硫黄山で買った温泉たまごをホステラーの人達にあげる。台湾から来ている女の子から、タブレットのお菓子と台湾の絵葉書をお返しにもらう。

July-August ( the year 2003 )
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熊の爪痕を見た女伝説

これは、ゆきずりのライダーから聞いた話。そのライダーの知り合いに徒歩で旅する女性がいた。どんなところでもズンズン入っていくツワモノであったらしい。
彼女が摩周湖を訪れた時の事である。裏摩周の辺りから摩周湖のほとりへと降っていく小道を、偶然に発見してしまったのだ。元々、摩周湖へ降りていく道は一般には知られておらず、摩周湖に近づくことは許されてはいない。摩周湖の水をすくうなどもってのほか。しかし、彼女はそんな事お構いなしに、禁断の小道を降っていった。
人があまり立ち入ったことのない怪しげな空気の中を彼女はズンズン降っていく。しばらく進むと、目の前に鹿の屍が横たわっている。なんと、屍には生々しい爪痕がくっきりと残されているではないか!まだ新しい!?

ウギャー!!

クマにあったらどうするか―アイヌ民族最後の狩人姉崎等 熊の爪にえぐられた屍を見た彼女は、恐怖におびえ、スタコラサッサと小道を駆け上がっていった。

近づいてはいけない所には、近づいてはいけない。 近づいたらアホである。

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